第4話 もう決めた

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第4話 もう決めた

「どうだろう。」 折橋さんは、ニコニコしながら私に迫る。 そんな時だ。 「失礼します。」 さっきの女性、内本さんがお茶を持ってやってきた。 「お茶をどうぞ。」 出されたコーヒーカップは、某有名な漆器だった。 こ、こんなの、テレビでしか見た事がない。 「どうぞ。今日はね、美味しい豆が入ったんだ。」 「豆!?」 か、会社で美味しい豆? もしかして秘書になったら、お客さんが来る度に、裏でコーヒー豆を挽くのでは? 「無理です。」 そんな事、私はした事がない。 「どうして、すぐ答えを出すの。」 「考えても私には、秘書の仕事は無理です。」 「だったら、どんな仕事だったら、できるの?」 「それは……」 静寂がしばらくの間流れた後、折橋さんのカップを置く音が、やけに大きく響いた。 「つむぎさん。いろんな仕事にチャレンジしたいって、言ってなかった?」
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