宇宙帆船レース

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ふいに聞きなれた声がした。大地が振り向くと、そこにフィービーが立っていた。    「どうしてここにいるんだよ」       「ふふん。どうしてでしょうねぇ」     「どうしてでしょーねーって、あのなぁ」  「だから忘れ物はないかって尋ねたでしょう。肝心の私を忘れてもらっちゃ困るわ」    「どうしよう、アルフレッド」       大地がアルフレッドに助けを求めると、彼はまじめくさった顔で答えた。        「とりあえず、定員オーバーだから誰か一人を宇宙船の外へ放り出す」         「ええ?」                「…ようなことにはならないから安心しろ」 少年少女はその場にへたりこんでしまった。           ☆  惑星リーランドに到着すると、チェックポイント通過証明を受け取りに向かった。元々この惑星には大気がなく、人工的に造られたドームの中に都市リランディアがあった。   「ねぇねぇ、大地。あの人といったいどこで知り合ったの?」            フィービーが大地の服のそでをひっぱって、こっそりと尋ねた。            大地は前を歩いていくアルフレッドの後ろ姿をみながら「スペース・コロニーの空中公園」 と答えた。                    
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