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「もしかしてえらい人なんじゃないの?」
「へ?なんでそう思うんだい」
「だって…」
フィービーは無断でレース用帆船にのりこんでいたのに、それを途中でほかの星や船に預けたり追い返したりせずに、ただレース主催者に連絡をとっただけで参加者名簿にフィービーを加えてくれたのだった。それで彼女はアルフレッドのことをそう考えたようだ。
「きっとアルフレッドが大人だから僕らより話がとおりやすかっただけじゃないのかな。どうせ保護者やるのなら子どもの一人や二人ってかんじでさ。…僕にはあの人が特別えらい人には思えないんだけど…」
「そう…?」
「二人とも何してるんだい」
遅れがちになった二人を、先の方でアルフレッドが気づいて呼んだ。あわてて二人は彼に追いついた。
「ここが第一チェックポイントだ」
全面ガラス張りの建物がそこにあった。外壁が街の風景を青く映しだしている。
「なんなのよ、これ」
中に入るなりフィービーが声をあげた。
「ミラーハウスの豪華版だ」
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