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大地は思わず手にしたコインを取り落としそうになってしまった。
「そんなに大事なもの、なくしたりしたら大変じゃない」と、フィービーが大地からコインをとりあげた。
「なんだよ。フィービーが持ってても、同じで安心できないじゃないか」
「それは…、そうだけど」
助けを求めるようにフィービーはアルフレッドの方を見た。
「…それじゃあこうしよう」
アルフレッドはコインを受け取ると、肩の上の仔猿の首輪の裏にしっかりと固定した。
「一番安心して預けておける場所だよ」
「確かにそうかもしれない」
大地たちは笑った。
都市リランディアのスーパーで三人は食料などの物資を買い込んだ。
「小麦粉、卵、バター、牛乳。フィービー、ケーキでも焼くつもりかい?」
「ケーキでもクッキーでも、ホットケーキでも良いわよ。あ、あとチョコレートも買って」
「おかし大会か…。でも悪くはないな」と、アルフレッドは仔猿のヴァンを指でからかって遊んでやりながら言った。
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