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大地がむずむずしながら言うと、アルフレッドは、「レース開催者がメンテナンスを依頼するなんて話、聞いていないんだ。なんだかいやな予感がする。もう少し待ってくれ。メンテナンスの確認をとるから…」と言った。
その時だった。
どこかで爆音が聞こえた。
三人があわてて下船すると、宇宙港は上を下への大さわぎになっていた。
今しがた出港しようとしていた別のチームの帆船が爆発したのだった。幸い乗っていた乗員にも、他の人間にも死傷者はでなかった。
「皆さん。係留中のレース用宇宙帆船すべてのチェックを行ないますので、しばらく待機をお願いします」と、宇宙港サービス係が呼びかけた。それで、みんなはひとまず安全な場所に避難して、そこで待つことになった。
しばらくして宇宙港サービス係が戻って来て、
「何者かが、メンテナンスロボットのプログラムを故意に書き変えており、すべてのレース用帆船に起爆装置が取り付けられていました。これは宇宙帆船が動き出すと爆発するしかけになっています。これよりただちに撤去にあたります」と、まじめくさった顔で言って立ち去った。
「レースを妨害しようと考えている人間がいるのは確かだな」と、アルフレッドはにがにがしく言った。
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