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大地はおずおずと尋ねた。
「ああ…。俺の友達、ヴァンだ」
男はそう言って仔猿の頭をなでた。
「ここではめったに見られない動物だったから、つい後を追いかけてきちゃったんです」
「そうか。たしかにめずらしいだろうなあ。普通の猿じゃないし…」
大地は男の隣に座ると仔猿を近くから観察した。
アルビノ(先天的に色素が欠乏して、全身が白くなったり、赤い目をした生物のこと)特有の不思議な姿をした仔猿だった。
「おじさんはどうして夕暮れ時にサングラスをかけているの?」
大地は不思議に思って尋ねた。
「ははは。”おじさん”はひどいなぁ。これでもまだ若いんだよ。…サングラスをかけているのは、世の中を色眼鏡でみたら、現実が違って見えるからなんだ」
「ふうん…」
大地にはなんだかよく理解できなかったけれどその男の言葉にあいづちをうった。
「あれを見てごらん」
ふいに男が街頭ビジョン(大きなテレビみたいなもの)を指さして言った。
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