宇宙帆船レース

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「いいや、僕たちサンダーソニアだ」と、大地ががんばると、険悪な雰囲気がたちこめた。 けんかになりそうだと見てとったアルフレッドが仲裁に入った。            「まあまあ、誰が勝つのかはどちらにせよ、無事にレースが終了してからわかることですから…、ここは気をしずめて…」      その間にフィービーは大地を人ごみの中からひっぱりだした。             「自己主張も大切だけど、ほどほどにしてよね」                   「だけどさぁ…」             大地はぶちぶちとひとりごちた。      「いやぁ、あのレポーターのお姉さんの美人なこと…」                アルフレッドがそう言いながら二人の方へやってきた。                「それは僕も同感」と大地は笑った。    「何よそれ。二人ともやんなっちゃうわ」と、フィービーがふくれっつらになった。    ハングリースパイダー号のリーダーはサザビーという名前で、本職は貨物輸送宇宙船の船長をやっている男だった。         また、美人レポーターの名前はマリラといい、現在独身の二十五歳だそうだ。           
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