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さも残念そうにアルフレッドが言った。
「また今度機会があったら勉強するよ」
「そっか。そうだな。そしたらいつか二人でチェスの対戦しような」
「って、アルフレッド。チェスできたの?」
「いいや。全然」
「なんだそりゃ」
大地は眉根を寄せた。
「…それにしても、もし気づかなかったら、レース終了までえんえんとチェスをやっていたのかしら…」
フィービーがぽつりと言った。
「そうかもしれない」
大地は駒をぎゅっと握りしめた。
☆
『さぁ、先頭の数チームいよいよ全チェックポイントを通過したもようです。残るはゴールのスペース・コロニーへ帰還するまでが勝負です』
サンダーソニア号のテレビをつけていると、マリラレポーターがレースのもようを中継していた。
「僕、マリラさんのファンになっちゃおうかな…」
大地は画面に見とれてうっとりと言った。
「大地のばか」
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