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「それだけ彼女は、あの仕事に情熱を持っているんだろうよ…」
二人は同時にため息をついた。
「さてと、本番行くか」
「そうだね」
アルフレッドが手動で操縦し、大地がレーダーで小惑星の位置と大きさを確認して伝えた。
それは神経のはりつめる仕事だった。
一度岩塊と接触してしまった時、一時的に船内が無重力状態になった。
「ちょっと、どうなってるのよ」
フィービーが簡易キッチンの方から船内連絡してきた。
「小麦粉が部屋中に舞っちゃって、料理できないわ」
「フィービー。すぐその場所から離れて」
「…どうして?」
「限られた空間…室内に燃えやすい物質の粉が充満しているときに、ほんのちょっとした静電気なんかの火花が引火すると、爆発が起こることがあるんだ。だから急いで」
「…わかったわ」
フィービーが船内通路に出たことを確認すると、アルフレッドはキッチン周辺のブロックを一時的に閉鎖した。
まもなく船内に人工重力がもどった。
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