宇宙帆船レース

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「ちょうど、今度俺がやる仕事のCMを流しているよ」                男のサングラスが街灯の光を鈍く反射した。  街頭ビジョンは同じ宣伝をくり返し流していた。それは新製品の宇宙船の内容だった。 『…このたび最新型の宇宙船が開発されました。A=E=V=ライト博士の独自の理論によるエネルギー発生装置を搭載した、宇宙帆船です。スペース・コロニー政府はこの宇宙帆船を使用した、宇宙レースを開催することに決定しました…』            「ライト博士という人は、光量子(フォトン)を特殊な装置で集めて、増やして、それをエネルギーに変換する方法を考えついたんだ。…けれど、地球からこのスペース・コロニーへ向かう途中の宇宙船が事故にあって、博士は生死不明の行方不明になってしまった」  男はそう言って大地のほうを見た。     「もうそろそろかえらなきゃ、家の人が心配するよ。俺の名前はアルフレッド。君は?」 「大地。大空大地。…また会える?」    「ああ。きっとな」            大地は立ち上がり、アルフレッドとヴァンに手をふって家へ帰った。                   ☆ 「あのぅ、宇宙帆船レースの開催事務所はこちらでしょうか?」                
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