宇宙帆船レース

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受付のカウンター越しに顔をのぞかせて、大地は一生懸命に尋ねた。          「はい、そうですよ」           受付嬢はあいまいな笑顔を浮かべて言った。 彼女は、ここはこんな子どもが出入りするところではないし、誰か関係者の息子さんかなにかだろうか、と考えていた。       「それじゃあ、そおいうことで」      大地は、にかっと笑うと、さも当たり前のようにすたすたと奥の部屋へ歩いていった。  一瞬あっけにとられた後、受付嬢はあわてて内通の立体映像電話で奥の責任者と連絡をとった。                  「あ、あの、ジラルドさん。今、男の子が一人そちらへ…」              「男の子?」               責任者のジラルド=フィリップ=ロッシーニはちょうど大事な客人との会談中だった。彼は不快そうに眉根を寄せてジェスチャーで追い払う真似をしてみせた。         「あの、でも、もうそちらへ…」      受付嬢は困惑して言った。         「ははははは…。どうやら新しいお客が来たようだね。君は忙しそうだから、俺はおいとまさせてもらうことにするよ、ジラフ」   客人が気をきかせて言った。            
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