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ジラルドはとても背が高く、親しい友人からはジラフ(きりんのこと)という愛称で呼ばれている。だからこの客人は彼とかなり親しい間柄らしかった。
「そうかい?それは残念だ」
ジラルドは本当にがっかりした様子でその人物を送り出した。
一つのドアが閉まったその途端、別のドアが勢いよく開き、入れ違いに大地がやってきた。
「なんだなんだ、君は?」
ジラルドは上の方から圧倒するように大地を見下ろして言った。
しかし大地は全然気にする様子ではなく、熱心に彼を見上げて言った。
「僕、宇宙帆船レースに興味があるんです。…いやそうじゃなくて、レースに出場したいんです!」
ジラルドはしばらくぽかんと口をあけていたが、しょうがないな、という感じで鼻先で笑いとばした。
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