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「ずるいわよ、一人だけ。…私もつれていってよ」
「え、いや、あの…。僕一人だけでもやっと許可してもらえたんだ。だからフィービーは無理…だと思う」
大地はしどろもどろで答えた。内心、これは他の友達とかにも内緒にしとかないと大騒ぎになるかもしれない、と考えながら。
それから毎日フィービーは大地に「つれていって」とくいさがった。
大地は学校が終わるとすぐフィービーをなだめながら帰り、その足で宇宙帆船の操縦訓練を受けに行かねばならなかった。
日がたつにつれ、そのうちフィービーもあきらめたのかレースの話題をひかえるようになった。それで大地は胸をほっとなでおろした。
そしていよいよ宇宙帆船レースが開催される前日、フィービーはやけに大地にちやほやした。
「必要なものはそろってる?足りないものがあったらなんでも私に言ってね」
大地はこの時ちょっと嫌な予感がした。
☆
レース開始まで残された時間があとわずかしかない時、アルフレッドが民間放送局のチャンネルをつけた。
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