ジャージで治める異世界の領地経営

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ウィズのお陰で久しぶりに新鮮味を得た俺は少しだけ上機嫌に歩みだそうとしてウィズに止められた。 「しょ、少年、ちょっと待ってくれないか?君に頼みたいことがあるんだ・・・」 恥ずかし気に顔を赤らめ、少しモジモジしたウィズが俺の顔を見つめてくる。 あれだけ恥ずかしいところを見られた俺はその時結構投げやりになっていたのかもしれない。 彼女の頼みを特に何も考えずに受け入れ、再び城に向かって進み始めた。 城の周辺には夥しい数の死体が転がっており、そのほとんどは体の一部を“破壊”されていた。 恐らくスズカの破壊魔法の餌食になったのだろう。 全壊した塔を見た時、ウィズが何か言いたそうな顔をしていたが、いつも通りのスルースキルを発動してその場をやり過ごした。 できることなら成長したところを見せつけてびっくりさせたい。 なんの障害もなく城内に侵入を果たした俺達は倒れていた兵士から体をすっぽり覆い隠せるほどの大盾をかっぱらい、ウィズに持たせた。 元々ウィズは剣術よりも盾を使ったスタイルが得意らしい。 ちなみにウィズの恰好は本人の強い希望で俺と色違いジャージだ。 着させた時にはさぞ喜んでくれた。 昔、俺と話した時から気になっていたそうだ。 手に取ったジャージを伸ばしたり透かしたりして一通り吟味した後、無事だったショーツはそのままに、上は何もつけず、そのままジャージを着てしまった。 流石の行動の速さに俺は何も言えなかった。 セリアはクスクス笑ってたけどレンレンから冷たい視線をいただいた。
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