ジャージで赴く異世界

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大学4年と言えば就職活動を必死こいて行い、今後の人生に大きくかかわる一大決心の時ともいえる。 しかしだ。 中には就活に失敗したり、そもそも卒業が危ぶまれる連中もいる。 ちなみに俺はそっち側の人間だ。 卒業はできる。 ギリギリだが。 だけど就活は失敗した。 失敗というかそもそもやってない。 やる暇がなかった。 大学最後の試験でやらかして追試に追われていた。 そんな俺も大学に来るのは今日で最後である。 “卒業式” 華々しい門出を祝いに卒業生の親親族が集まり、その晴れ姿を見ている。 ちなみにだが家の人間は誰も来ていない。 この場のほとんどがスーツや晴れ着で来る中、俺はいつも部屋で着ているジャージだ。 ちなみにヘアバンドも巻いていたりする。 何が言いたいかというと完全に寝起きだ。 顔洗って就活に出かける前に友達に拉致されたのだ。 この期に及んで就職活動をさせてくれる企業はほとんどない。 大学側もそれを承知で俺の卒業式欠席を認めてくれた。
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