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警察学校卒業旅行
「あ、これめっちゃ可愛いやん」
「ホントやー」
私、吉沢祥子は本日、サービスエリアの売店で、同期の中村奈保さんと一緒に、ご当地キティちゃんを眺めていた。
今日は、警察学校の卒業旅行。
私、吉沢祥子は岡山県倉敷市出身。春に大学を卒業して、隣の兵庫県警に入った。
半年の警察学校での初任科期間はとても、きつかった。例えるなら、戦争中、太平洋戦争に行った兵隊さん達も、こんな生活を送っていたのではないだろうか。
三分の一は初任科過程で辞めて行く。
きついとは聞いていたし、軍隊に入ったと思えと警察官だった父によく言われていた。その覚悟はしていたが、やはりきつかった。
やっと初任科過程が終わり、卒業式を終え、警察学校の卒業旅行。
でも楽しみにしていた訳ではない。
それはどのような様子なのか、今から説明しよう。
売店でソフトクリームを中村さんと一緒に購入して、食べていた時だった。
「お前ら、どけー、どけどけー!」
そんな大声を上げたのは、同じく同期の内田直人。やたらと背が高く体格がいい。警察官向きの男だ。
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