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２
お年は八十代だろう。
結構、年は行った人だった。背中を丸めて出てきて、怪訝そうに私を見る。
「おばあちゃん、こんにちは」
この仕事は、お年寄りと接する事はよくある事。
徘徊老人が多かったりするので、認知症の方がいなくなったと、家族の方が心配して連絡してくる事はよくあるのだ。
「何や？ あんた」
「ごめんなさいね。巡回連絡と言って、一軒一軒回ってるんです」
説明すると、しばらくしてから「へぇ、そうかい」と反応が返って来た。
「このカードにご記入いただいていいですか？」
「あ？ あぁ」
おばあさんは、躊躇する事なく黙ってカードを取ると、サラサラと鉛筆で記入して行った。
おそらく認知症の方ではない。
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