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「さあー!あたくしのことは話しましたわ!そして、新妻の先輩として熱く熱く熱く!咲良さんには語っていただきます!」
菜乃花さんは見た目がとってもお嬢様で、輝くばかりに美しく、高貴なのだけれど、何故か私には掴みかからんばかりの勢いなのです。
「あ、あのう……」
「あのう……なんですの?!あのうって感じですの!?」
「は、はい?」
「あたくしの旦那様になる方はとっても怜悧な美貌なんですの!それが、あのうって感じになるのかと思うと!めくるめく世界にどんぶらこですわ!で、あのうって、なんですの?!」
「……いやあ……」
「“いやあん”?」
菜乃花さんの目が煌めいた。
「あたくし、ずっと、咲良さんで妄想していましたの」
「……はい?」
菜乃花さんはうっとりと目を閉じた。
「可憐で華奢な咲良さんが、あの優しげやお兄様とどんな睦言をされているのかと思うだけで、ご飯が三杯いけましたわ」
「……ごはん……」
「もちろん、おかずとしてですわ!」
「……おかず……」
「でも何よりも!こうして結婚が決まったあたくしは今、これからどうなるのか興味津々の予習復習手習い実践ですの!さあさあ!」
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