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「あ、あのう……」
私はたじたじとなった。
1ヶ月ほど前だと、なんとなく漠然としていたが、今となっては生々しい。
思い出すと記憶が途切れ途切れだ。朦朧としていた。
私は恐る恐る菜乃花さんに告げる。
「記憶がないの」
「え?」
「記憶が途切れるの」
「それは!あたくしに話したくないという意味ではなく、正真正銘途切れるのですか」
「……はい」
「それは!」
菜乃花さんはおののいた。
「人体破壊ですね、咲良さん」
「……人体破壊……」
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