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「やはり、せっくすというものは人体破壊なのですね咲良さん!」
「……せ……くす?」
「あたくし、春画を見て考えたのですが、あれは、盆栽の接木のようなものなのですね!」
「ぼんさいの……つぎき……」
「抜けるのかしら?抜けるのよね。それにしてもあのようなものをぶら下げているなんて!
咲良さんのお兄様にも、あたくしの婚約者にも……!
ああ、そう考えるのとっても興味があるわ。
いつもはきっと、お股の間に隠していらっしゃるのね。
その割にはクネクネと歩いていない……
……お小さいのかしら、接木の部分が」
「……いえ……小さくは決して……」
「大きいのかしら!咲良さんのお兄様の接木は大きいのかしら!」
「ち、小さくは……比較したことはありませんが……」
(むしろ、接木として接続不良であったような……)
「……」
「どうされましたか、咲良さん。青くなったり赤くなったり、また青くなったり」
「……(待って。私たち、なんか途中だった気がする……むしろ……むしろ……)」
「どうしましたか、咲良さん」
「むしろ……私が小さいのではないか……と」
「それは!そうですわ!咲良さん!」
私は両肩をバシッと掴まれた。
が、掴んだ瞬間、「あ~れ~!」と菜乃花さんはのけぞった。
「や、やはり!咲良さんは!」
菜乃花さんは、戦慄いた。そのまま横座りになり、よよよっと泣き崩れた。
「咲良さんはお小さいですわ!華奢です!」
「……やはり……だから中断したのですね」
「え?中断?」
「……いえ、あのう……」
「あのう?」
「……」
「咲良さん、わたくし、思うに、咲良さんは未成熟なのだと」
「未成熟?」
「ねんねと申しますか」
「……ねんね……」
「お子様と申しますか」
「……お子様」
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