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「でも大丈夫ですわ!要するに数をこなすことですわ!」
「……数……」
「毎日毎日、日を重ねるごとに花開くようにほころぶと申します。
お兄様は遠慮なさっているのですわ。
咲良さんからぐいぐいぐいっと行ってくださいませ!」
「……ぐいぐいぐいぐい……」
「ええ!ぐいぐいですわ!花に嵐はつきものですわ!」
「そ、そうですか?」
「ええ!お兄様はお優しい方ですから!きっと自分からはなかなかなさりません。
咲良さんからどんどん攻めて差し上げてください」
「……」
「妻の務めですよ、咲良さん」
「……務め……」
「ああ!」
突然
菜乃花さんはのけぞった。
そのまんま、神様にお祈りなさるように、指を組み、天を仰ぐ。
「わたくしも冷やし飴のように艶やかで美しい旦那様と早くしっっぽりしたいっ!」
「……」
こうして菜乃花さんは願望を口にして去って行った。
(よくわからないけど凄い。私、ちょっと元気が出ましたわ、菜乃花さん)
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