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「……今日の咲良ちゃん、なんだかいつもと違うけれど気のせいかな」
「……気のせい……です……」
私は肩で息をして、優也さんの胸に寄りかかった。
酸欠のようで、頭に靄がかかる。
「そう?」
優也さんは微笑み、私の髪を撫でた。
「いつもかわいいけど、今日は色っぽいね」
「……そんな……」
つむじに唇が落とされる。
「こうやって、戯れるのはいいね」
「そうですか?」
「……そう。
咲良ちゃんが小さい時に手を繋いでお祭りに行ったことを思い出すよ」
「……子供じゃないですか、それ……」
「そうだよね。
それなのにこんなことしちゃったんだから、保護者失格だよ」
「保護者だなんて」
「いつまでも咲良ちゃんを庇護していたいな」
「もう大人ですよ」
「大人でも咲良ちゃんを護っていたい」
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