さくら色に染まりたい

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(そう。ガサツなところが全然なくて、優しくて頭が良くて) 一緒に折り紙を作ったり、絵を描いたり。 (あの頃から好きだったな……) 淡い初恋が優也さんだった。 「あの時、今の俺に出会っていたらどうなんだろうな」 「え?そんなの……逆にあの頃、今の私に出会ってたら、優也さんはどうしましたか」 「……綺麗なお姉さんだなあって憧れてただろうね」 「……や、やだ……なんか……恥ずかしい……////」 「……俺たちは年齢が違うけれど、それでも同じ時代に生まれて良かったと思ってる。 咲良ちゃんがやっと俺を色っぽいと言ってくれて良かった」 「?」 「だって、優しいお兄ちゃんだけだとできないこともあるからね」 そう囁いて、優也さんは私の顎を指先で捉えた。 そして、瞳を覗き込む。 「……咲良……」
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