さくら色に染まりたい

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唇の中に温かな陽だまりのようなものが入り込み、私の奥をなぞっていく。 私は気がつくと布団の中にいて、優也さんはその上に布団をかけた。 なんだか布団がかかったら安心してきた。 それで優也さんと抱き合った。胸と胸が合わさって、背中まで合わさるかのように抱き合った。私の足と優也さんの足はお互いに絡まり合っている。 それが温かくて心地よい。すべるようで吸いつくようで、同じ体温な感じがした。 ずっと。 子供扱いで、だから、体温も違った気がした。 でももう同じ体温だから、皮膚の中まで溶けあおうとしている。
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