春を待っていたんだ

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天寿を全うしたんだよ、俺は。 死にかけてからはネーチャンとたくさん話したじゃん。 ちょっと我慢して生きながらえたけど、もうイヤんなった、って言ったらさ。 ネーチャンは、もういいよ、って言ってくれてさ。 やっと俺、楽になれたんだよ。 あいつも同じだ。 シャイだからネーチャンとは話さなかったけど、ネーチャンの言うことちゃんと守っただろ。 ひとりぼっちで逝かないで。 最期の時は傍に居させて。 なぁ。 待ってただろ。 帰りの遅いネーチャンがベッドに来るまであいつ、ちゃあんと待ってただろ。 「、、っ仲が、、仲良しでっ、、いつも後を追っかけ、、追っかけてて、、っいっつも」 まーったくだよ。 俺の一歳の誕生日にボロぞーきんみたいなあいつが来てさ。 かーちゃんは威嚇しまくった。 連れて来たネーチャンはかーちゃんのご機嫌とりで手一杯だったろ? 仕方なく面倒見てたら、俺までかーちゃんに威嚇されて酷かった。 でも、ま、結局あいつの粘り勝ち。 新しいカゾクになった。 それからさ、よくみんなで座ってるネーチャンの膝の上を取り合ったよな。 誰も譲らないから、膝からどんどん競り上がって腹の上まで重なるんだ。 なぁ、毎日愉しかっただろ。
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