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和尚さんのお経があいつを仏さまに変えていく。
死んだらみぃんな仏さま。
ネコもシャクシも仏さまになるって和尚さんは説く。
だからそんなに泣くなよネーチャン。
『にーちゃ。』
背筋をピンと伸ばし行儀良く鎮座する俺の顎先に、ごつんごつんと額から突っ込んでくる。
あいつからの怒濤の頭突き。そこからのスリスリは尻尾の先まで続く。くるりと反転し、目を細めてまたごつん。
ぐるぐると喉を鳴らし躰をすり寄せてくる。
『にーちゃ。』
ここからまた七七日。
知ってんだろネーチャン。容れものが無くなった俺たちは、いつだってどこにだってあらわれるし、だれにだってなれるんだ。
目が溶けちまうよ。もう泣くな。こいつがどれだけ安らかに逝ったか知ってんだろ。
『にーちゃ。急いで来たの。』
きらきらと大きな金色の瞳で髭を震わせる。
わかってるって。お前が俺を大好きなことくらい。
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