12人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
てとてとてとてと……。
良く晴れた2月の冬麗、今日もコツメカワウソのこつめちゃんはおとなりのお屋敷に四足歩行で遊びに行きます。
「ごきげんよウソ、カイサルくん。えきせんとりっく!」
しゅた!と片方の前足をあげて、こつめちゃんがごあいさつ。
お庭にはお友だちの真っ白ワンコ、カイサルくんがいました。
「こんにちワフ、こつめちゃん。えきせんとりっく!」
彼も同じくしゅた!と前足をあげて応えます。
彼はこの白糸川小路家で飼われている箱入り秋田犬。真っ白ふかふかな毛並みがすてきな白糸川小路家のプリンスです。
「なにやってたウソ? そんなお池の前にすわりこんで」
「水面に映るぼくの姿にみとれてたワフ」
「…………」
こつめちゃんがお池をのぞきこむと、たしかにそこにはユラユラゆれるカイサルくんの姿。
「……いっそ水仙になってしまえばいいウソ」
「そんな、犬を神話の神みたいに。ぼくは単に愛くるしくてコケティッシュな、エキセントリックわんこBoyなだけさ♪」
きらーんと肉球をチラ見せしてスマイル。
月刊明け星の表紙か? はたまたマルベル堂ブロマイドか?
最初のコメントを投稿しよう!