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2月14日、バレンタインデー。
「はぁーーーー…………」
放課後の教室で、俺は机に伏せたまま大きなため息をついていた。
「ゆ、ユウくん。元気だしてよっ」
俺の幼馴染、秋野 咲が俺に慰めの言葉を投げ掛けてくる。
「…………」
だが今の俺には、その言葉に反応する体力すらなかった。
俺の名は生土 竜。土竜ではない。
『ユウくん』というのは、『りゅう』から『り』を取った『ゆう』に敬称を付けたあだ名である。
……だが、今はそんなことはどうでもいい。
俺は現在、訳あって酷く疲れているのだ。
そう、この日にあったありとあらゆる出来事が、俺の体力を奪い去っていったのだ…………
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