25人が本棚に入れています
本棚に追加
「そう。在宅生活の人は大打撃よね。まず家族が仕事に出られなくて雪掻きに追われたらしいけど。」
私は雪国に住んだことがないからわからないけど、この辺だと五センチ積もってもパニックになるのは間違いない。
だって雪ほとんど降らないから。
「それでどうしたの?胃ろうの人たちだっているでしょうに。24時間看護体制の人も」
「看護師たちは徒歩で雪中行軍したらしいわ。」
「えーー?」
訪問に行く時の私達は荷物だって半端ない。
カルテや看護に必要な医療用具。その他にも……。
「これ、彼女が送ってきた写真」
みんなでたまちゃんの携帯を覗き込む。
「うっそ。」
「福井の人って身長が100センチくらい?」
「そんなわけあるか!」
見せてくれた写真は白。それしかない。
道?わかんない。
しかも点々と車が、横向いてる。これは傾いてる?
歩く人も何人か写ってるけど雪の高さがその腰くらいある。
「この広い空地は。」
「田んぼみたいね」
師長、田んぼって道路と同じくらいの高さでしたっけ?
「ここを歩いたんだって。車で15分かからないところを片道一時間。
どうしても車じゃなきゃいけないところだった訪問先もあって、事務所に戻ってこれたのが夜中。」
厳しい。次の日、というかもう当日よね。次の訪問だってあるのに、ほとんど寝る時間ない。
最初のコメントを投稿しよう!