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「このアパート人住んでんだね」
続けてその茶髪の女の子からの言葉に、どうやらこのアパートの住人が私とこの女の子だけなんだという事を推察してしまった。
「あっ・・・えっと・・・」
対人したとき専用の人見知りが発揮されてしまい、うまく言葉を紡げない私に
「私、203に住んでる、杉山っていいます。少ない住人同士よろしくねっ!」っ
「え・・・え・・・っ」
いきなりのことに私はうまく言葉を発する事が出来なかったが、息が整う前にその子は私のことを覗き込んだまま私に声を掛けた。
「とりあえず、立ったら?通路あんまキレーじゃないよ?」
「・・・うん・・・」
私は立ち上がって、汚れたであろう自分の服を少し叩いてからその子に向き直った。
「んー?名前ぐらいは聞いてもいい?」
部屋から出てきた女の子は自分の記憶の葉月とは正反対の恰好をしていたが、同じ部屋から出てきた事に少しの期待を込めて、フルネームで自己紹介をした。
「すず・・・浮島 鈴です。」
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