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ポロポロ涙を流し始めた舞花に苛立つ……
どうでもいい女だとなんで男ってこうも無下にできるんだろうか──
ただ、正直な話。舞花との恋人ゴッコは案外楽しかった。
仕事ではない配役だったお陰で気楽に演じて遊べたし、グラビアガールなだけに、抱くにはイイ躰をしてたし…
二週間と言わず多少この関係を続けてもいいと内心は思いもしてたし……
でも、
俺、見つけちゃったから──
どうしようもなく愛しいって想える大切な人──
見つけちゃったからさ…
あの人以外、俺には要らないわけだ──
「ごめんな舞花。とっくに恋人ゴッコ終わってるから」
俺は倒れたグラスを起こして舞花を見る。
ソファから立ち上がったままの舞花はゆっくりと俺の横を素通りすると玄関に足の向きをかえた。
「──…っ…な!?」
諦めたか、とホッと一息した瞬間、舞花はすれ違い様に抱き付いてきた。
・
不意をつかれ、しがみついた舞花にソファに押し倒されて俺は馬乗りされると舞花に上着をひん剥かれた。
「ちょっ…舞花やめろっ!?」
俺、犯されるっ…
必死の女は案外腕力がある──
なんだか押さえ込みの様に身体の動きを制御されて、俺はこの時初めて思い知った。
騎乗位で襲われ抵抗する俺の下半身に手を伸ばして強引に揉みシゴキながら舞花は首筋に舌を這わす──
「…っ…こらっ…やめろってっ…──」
「躰に聞くからっ」
「何をだよっ!?」
「あたしのことが好きか嫌いか聖夜の躰に聞くっ…」
「──…っ…ちょっ…んなやったら誰でも勃つに決まってんだろ!?」
下のタマまでしっかり刺激してくる舞花に俺は息を乱しながら叫んで怒鳴る。
その舞花の背後に佇む楠木さんと目があった。
「お楽しみなら止めない方がいいか?」
「とめてくれってっ!」
俺の合鍵で入ってきた楠木さんに必死で助けを乞う。
楠木さんに躰を剥がされると舞花はその場にへたり込んでいた。
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