第9章 疑似恋愛

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・ 「浮気したら別れる…か…」 自分が口にした言葉── 夏希ちゃんは何を思ってあんなことを聞いたのか? 夏希ちゃんはあたしが浮気しても我慢しちゃうんだ? 赦せるんだ──? ホントはどう思ったんだろう…… 夏希ちゃんは最初から結構本気で向かってきてくれている…。 “最初からすげー好きだったっ” 最初の告白 “働いてるとこ見たくて来ちゃった…” 店で働くあたしの様子を見に来たり “──だから自業自得って言ってんだよっ!!” 不審者にあとつけられた時も “俺のだよ?ちゃんと守ってよ…俺一人じゃ守れないよ…” 本気で怒って 愛をぶつけて たくさん抱き締めてくれる── 「あたしのこと考えてキャベツ山盛り繊切りしちゃうし…」 勢いの好きって感情だけではなくてあたしのことを知ろうと、積極的に向かって着てくれている。 「………」 やだ… なんかすごく愛されちゃってるじゃんあたしっ── 急に気恥ずかしくなって起き上がりしゃがみ込むと床をほじった── 今さら夏希ちゃんの愛を実感してる自分に驚く。 その時ってあまり気付かない── 振り返ってみてやっと夏希ちゃんがあたしに何をしてくれていたのかが見えてくる… 「お返ししなきゃ…」 なんかそんな想いが溢れるわけで── 色々考えた末、あたしは立ち上がるとそのままお風呂に向かった。
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