15人が本棚に入れています
本棚に追加
/74ページ
「おーい! 蘭丸ーー!!」
………………。
…………。
……。
むぅ、返事無し、か。なんということじゃ。
もしかして、この炎で既に……?
――いや!
いやいやいや、まっさかぁ!
奴に限ってそんなことある訳なかろう。
今頃、きっとこんな真似をしでかした奴らをバッタバッタと斬り捨てながら、こちらに向かって来ておるに違いない。
うむ、信じよう。
そうじゃ。
そうであれば、とにかく合流せねばなるまい。
奴の寝室は……確か一階の方であったな。
まあまだいるかどうかは分からんが、とりあえずはそこを目指すとしよう。
「……っと」
その前に、ちょっと窓から外の様子を覗いてみるか。
もしかしたら賊の姿が見れるやもしれんし、人数も分かるやもしれん。
『――ガラッ!』
そうして儂は、思いっきり目の前の障子を開け放った。
「なん……と……!」
はっはっはすっげぇー、なにこれ素敵。
……っといかんいかん! 呆けとる場合ではない!
にしても、なんじゃあこりゃあ!!
見渡す限りの人、人、人! とんでもねぇ大軍じゃあねえか!! ざっと一万はいるだろコレ! 一体どこの軍だよ!? 馬鹿だろ!? ったくよぉ!
「……ん?」
あれ?
おい、ちょ、ちょっと待て……。
あ、あの軍旗、見覚えがあるぞ?
見間違い、じゃねえよな?
なら、あの旗に刻まれた紋様……あれは……あの、“桔梗紋”は……!
「野郎、光秀! 裏切りやがったなぁぁ!!」
最初のコメントを投稿しよう!