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群雄割拠の時代は終わり、大陸は今、五つに分けられている。
ざっくりと東西南北に分け、仮にサイ国、トウ国、ホッ国、ナ国の四国が大陸の四隅を治めている。
ほぼ中央に位置するチュー国は、切り立った山に囲まれている。チュー国は謎の国である。
独特の地形が幸いして、三百年続いた群雄割拠の激風とは、ほぼ無関係でいられた。お陰でチュー国は、どの民族とも交わらない、純粋な自国の文化を保ち続けている。
五分割――正確には四分割――された大陸は、しばし安寧の時を過ごしている。
未だ百年には満たないが、ほぼほぼ争いのない平和な期間が続いていた。
ただし、小さな火花は絶えない。四つの国でも仲の良しあしはあり、微妙な関係の上に、今の平和は乗っている。ぐらぐらと揺れながら、やっとのことで持ちこたえている。
まやかしの平和だ。
商い、文化、様々なものが華やかに開花しているが、その実、それらはいつ失われるかわからない。
安閑としている貴族や、平穏に暮らす人々。
しかし、国々は常に危機感を持っている。
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