第5話 今夜は初夜

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「分かるよ。ワインが痛んでないかがね。」 「へえ……」 なんだか五貴さん、ソムリエみたい。 「そこまで知ってるなんて、意外ですね。」 「そうかな。」 五貴さんはボトルを持つと、グラスにワインを注いだ。 しかも、1~2cmしか注いでいない。 「これしか、注がないんですか?」 「最初はね。これで、テイスティングするんだよ。さあ、飲んでみて。」 「はい。」 ワインを飲む前に、息をゴクンと飲んだ。 人生初めての、ワイン。 五貴さんが、私の為に選んでくれたワイン。 しかも、高級なシャトー何とか。 また、手が震えてきた。 「大丈夫?手が震えてるよ?つむぎ。」 「だ、大丈夫……」 カタカタ震えながら、ワインを一口飲んで見た。 口の中で、葡萄の甘味と、渋味が混ざる。 そして、ほんのりとアルコールが鼻から抜ける。 「美味しい……」 「だろ?」 私達は、見つめ合いながら笑った。
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