拾い物が大物だった件

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俺はごく一般的な成人男性だと思うし、一応筋肉もついているから重たいはずなのに、竜人の筋力は伊達ではない。 「あ、歩けるから!」 「ダメですよ。 無理はいけません」 俺がジタバタしても、竜人はガッチリと俺を支えていて、ビクともしない。 寝室に着くと、やさしく布団の上に下ろされた。 何だろう?俺に対するこの扱いは… 何というか、気持ちが悪いくらいに丁寧だ。 「何で見ず知らずの俺にこんなにやさしくしてくれるんだ?」 疑問を素直に口にしてみた。 竜人は大きく目を見開き、ふう、と息を吐く。 「あなたにはご恩があります」 「は?」 「あなたは、私を救って下さいました。 竜が好きではなさそうなあなたと、合意なしに契約してしまったのは、とても申し訳ないと思っています。 でも、私はあなたに死んで欲しくなかったのです」 竜人は項垂れた様子で、俺の顔を力なく見つめた。 本当に契約したのか…! 聞き間違いではなかった!! 竜との契約は、一度結んでしまうと破棄することはできなくて、一生共生関係が続く。 俺はこの竜と生涯を共にしなければならないということだ。 何てことだ… 開いた口が塞がらないという状況に、本当になるのだと実感した。 俺としてはかなり衝撃的な出来事だ。 まさか、竜から離れたくて帝国軍を辞めたこの俺が、今さら竜と契約する事態に陥るとは… 何から聞いたらいいのかわからないが、とにかく、順番に質問して疑問を解消していこう… 「契約してしまったものは、今さらどうにもならないし、もう仕方がないだろ。 でも、契約することが、俺の命を救うことになるとは、どういう原理なんだ?」 「竜と人間の契約とは、お互いの体を作り替えることです。 その時の力を使って、全ての傷を治すことができました。 ただ、体力のある竜よりも人間の方が負担は大きくなってしまいますし、あなたは出血も多かったですから、通常の契約時よりもかなり負担がかかったと思います。 正直、上手くいってホッとしています」 「え!?確証があって契約した訳ではないのか?」 「はい、いわゆる博打というやつですね」 「バカな!俺と契約してしまって、俺が助からなかったらお前も死ぬんだぞ!」
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