《第三章》めざめを促す蛇
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《第三章》めざめを促す蛇

 さんさんと朝日が差し込む部屋で、渡海はベッドに仰向けに寝っ転がって天井を眺めていた。傍目から見ればただぼうっとしているようにしか見えないけれど、実はある作業をやっていいものか真剣に悩んでいた。  その作業は彼にとってとても重要なもので、帰国したらいの一番に行うものだった。だがその作業の工程で、どうしても避けて通れない現象が起きる。しかもその現象は自分以外の人間からすれば、ただの迷惑行為になる。だから自宅で行っているのだが、今回はそれができないのだから仕方がない。  そう心の中で言い聞かせるが、それでもなんとなく気が重い。それというのは未明に同居人となった相手のことが気がかりだったからだった。  だが同居人は隣の部屋で大人しく寝ているようだし、未だに起きる気配がない。作業を行おうとしている部屋から彼女の部屋は離れているし、作業中換気扇を回せば気づかれないだろう。渡海は自分自身にそう言い聞かせ、ようやくその作業に取りかかることにした。しかしベッドから起き上がろうとしたときあることに気がついた。 「あー……。どうすっかな……」