第7話 夫の友人

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その後、内本さんが五貴さんと、今日の仕事の打ち合わせをしている中、私はポチポチと会議資料を作成する。 ここ1週間、みっちり内本さんに仕込まれたから、やり方は合ってると思うけれど。 二人の打ち合わせが終わったのを見計らって、内本さんに声をかける。 「内本さん。会議用の資料、できました。確認して頂けますか?」 「はい。」 いつもと変わらずに、デスクに歩いてくる内本さん。 よかった。 内本さんは、仕事とプライベートを別ける人のようだ。 「うん。いいんじゃないですか?」 「有難うございます。」 ホッとして、保存を押そうとした時だ。 「って、私が言うと思った訳?」 耳元に聞こえてくる、低い声。 「う、内本さん?」 「ここ、誤字。こことここ、脱字。ここは、もっとイラスト大きく。あっ、ここも誤字。ちょっと誤字多すぎない?」 「えっ……いや、私ではなく、部長達では……」
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