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「はあ?」
「あっ、いえ。ご指導、宜しくお願いします。」
内本さんに頭を下げて、ふと思った。
そうだよね。
私、社長夫人だよね。
五貴さんが雇い主なら、私が雇ってるのと変わらなくない?
何で私が、この人に頭を下げてるの?
「分かったら、会議室の準備。お願いできる?」
「はい。行って来ます。」
気を遣いながら、一旦社長室を退場。
ドアをそっと閉める。
「くわあああああ!」
あの女ああああ!
いつか、ギャフンと言わせてやりたい。
私は声を出さずに、天井に向かって叫んだ。
その時だ。
「はははっ!」
廊下から笑い声が聞こえた。
「何、玲亜ちゃんにいじめられた?」
「益城さん。」
社長室から姿を消したから、てっきり帰ったと思ったのに。
ハッ!
社長夫人たる者、旦那様の友人が帰るのであれば、見送らなければ。
「あの……益城さんは、今、お帰りですか?」
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