第7話 夫の友人

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「はあ?」 「あっ、いえ。ご指導、宜しくお願いします。」 内本さんに頭を下げて、ふと思った。 そうだよね。 私、社長夫人だよね。 五貴さんが雇い主なら、私が雇ってるのと変わらなくない? 何で私が、この人に頭を下げてるの? 「分かったら、会議室の準備。お願いできる?」 「はい。行って来ます。」 気を遣いながら、一旦社長室を退場。 ドアをそっと閉める。 「くわあああああ!」 あの女ああああ! いつか、ギャフンと言わせてやりたい。 私は声を出さずに、天井に向かって叫んだ。 その時だ。 「はははっ!」 廊下から笑い声が聞こえた。 「何、玲亜ちゃんにいじめられた?」 「益城さん。」 社長室から姿を消したから、てっきり帰ったと思ったのに。 ハッ! 社長夫人たる者、旦那様の友人が帰るのであれば、見送らなければ。 「あの……益城さんは、今、お帰りですか?」
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