第7話 夫の友人

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バタンと戸が閉まり、五貴さんは仕事に行ってしまった。 大体、同じ会社の同じフロアで働いているのに、どうして一緒に出勤しないんだろうって、思ってしまう。 「私だけ私だけって言っておきながら、そこが足りないんだよね。」 月曜日の朝からため息をついて、私はスーツに身を包み、会社へ出勤した。 エレベーターで最上階へ行くと、そこに見慣れる人影が。 「あの……お客様ですか?」 振り返った人に、私は見覚えがあった。 でも、どこで会ったのか、分からない。 こういう時、内本さんだったら、スパッと顔と名前が出てくるんだろうなぁ。 「ああ、気にしないで。俺、ここの社長の友人だから。」 友人? 五貴さんの? 私は、その一言でこの人を思い出した。 「あっ、パーティーにいた人。」 失礼ながらも、指をさしてしまった私に、その人は笑顔で答えてくれた。 「そう言う君は、パーティーで五貴の隣にいたような。」
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