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「大体、何でこんな朝早くに、ここにいるんだよ。」
「すまん。どうしても、五貴に会いたくてね。」
その人は、スッと社長室に入って行った。
五貴さんに、負けず劣らずいい男。
身長が高くて、髪がさらさらで。
五貴さんと並んで立っていると、映画の撮影に訪れた俳優さん達みたいに見える。
「つむぎ。この前も見たと思うが、俺の友人の益城有我だ。」
五貴さんは、友人なのに迷惑そうだ。
そりゃあそうだ。
午前中は大抵、会議で忙しい。
それなのに、アポなしで来るなんて。
「よろしくね、奥さん。」
しかも、私にウィンクとかしてるし。
「こちらこそ。」
これも妻の役目だと思って、胡散臭いと思いながらも、深くお辞儀をする。
「かわいいね。奥さん、歳いくつ?」
「……24歳です。」
「うっそ。24?一回り以上も、歳違うのかよ。」
有我さんは、やられたーって言う風に、額を押さえていた。
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