第2章 歯車

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期末テストも終わり、都内へ遊びに。 エミは、イイナズケがいるから休日はほぼ遊べない。 マサキ、ハヤト、マコト、 クミ、ユリ の5人で行った。 マコトは、大柄でかなり大人びた男子。気は優しくて力持ちタイプ。 ユリは友人として仲良くしていた。 ランチ時、 入店待ちをしていたレストランで、 ユリだけトイレに向かった。 皆のところに戻ろうとすると、自分の方を見ながらコソコソと何か話している。 ハヤトもニヤニヤ笑っている。皆の視線はどうも下半身、脚の方をみている。 ユリはケミカルウォッシュのジーンズを履いていた。 当時の流行りだった。 ユリ自身、ファッションセンスには自信がなく、ジーンズを笑われているんだと思った。 確かにユリ以外の4人はカッコいい。 マサキとハヤトは、水球部で逆三角の体型。マコトも長身でがっちりしていた。 男子は皆、ネイビーのストレートジーンズを履いていた。シンプルなコーディネートがとても格好良かった。 クミはモデルのような体型で何を着てもサマになる。 ユリの目には 話題の中心はハヤトで、皆に「ユリはダサい」と言っているようにみえた。 ユリは、その様子をみて気分が悪くなったが、その場は笑顔でトイレから帰ってきたフリをした。 ・・・ その後、夏休み前に エミともう一人の女友達と 竹下通りへ洋服を買いに。 イイナズケとのデートより私との買い物に付き合ってくれたエミだった。 エミの見立てで、普段買わないような派手めの服をいくつか購入した。 あまりファッションに興味がなかったユリも洋服選びが楽しくなっていった。
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