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新学期が始まった。
ユリは笑顔でハヤトに話しかけた。
「誕生日に電話かけたんだよ♪折り返し頼んだんだけど、聞いた?」
「ああ、遅くなったから、かけるのやめた」
とだけ言い、ハヤトはその場を立ち去った。
笑顔もなく、冷淡だった。
目も合わせては貰えなかった。
ユリはそれ以上、話しかけられなかった。
・・・・
その日を境に、必要以上話してもらえなくなった。
ユリは、何がなんだかわからなかった。
あんなに仲良しだったのに…
目を合わせてもらえないのが辛かった。
皮肉にも
席替えで、ユリの後ろがハヤトになった。
配布物を渡すときも、以前のニコニコしていたハヤトはいなかった。
まるで別人だ。
エミと私が一緒にいるときだけは、普通に話していた。
その頃、ハヤトは葛藤していた。
ハヤトはユリのことも好きだったが、
「エミ」のことがもっと好きになっていた。
ハヤトは、敢えてユリを避けていた。
「ごめん、一番じゃないんだ…」
きちんとユリにそう伝えなければ。
そう思いながら、時は過ぎていく。
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