第2章 歯車

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新学期が始まった。 ユリは笑顔でハヤトに話しかけた。 「誕生日に電話かけたんだよ♪折り返し頼んだんだけど、聞いた?」 「ああ、遅くなったから、かけるのやめた」 とだけ言い、ハヤトはその場を立ち去った。 笑顔もなく、冷淡だった。 目も合わせては貰えなかった。 ユリはそれ以上、話しかけられなかった。 ・・・・ その日を境に、必要以上話してもらえなくなった。 ユリは、何がなんだかわからなかった。 あんなに仲良しだったのに… 目を合わせてもらえないのが辛かった。 皮肉にも 席替えで、ユリの後ろがハヤトになった。 配布物を渡すときも、以前のニコニコしていたハヤトはいなかった。 まるで別人だ。 エミと私が一緒にいるときだけは、普通に話していた。 その頃、ハヤトは葛藤していた。 ハヤトはユリのことも好きだったが、 「エミ」のことがもっと好きになっていた。 ハヤトは、敢えてユリを避けていた。 「ごめん、一番じゃないんだ…」 きちんとユリにそう伝えなければ。 そう思いながら、時は過ぎていく。
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