第3章 誰かの一番になるということ

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ユリ達は3年生に進級した。 エミが、一人の男子と校内でイチャイチャしている… 「期間限定で私タクミと付き合うことにしたの」 「え?イイナズケは?」 「だから、期間限定なの。タクミがそれで良いっていうから。」 ユリは、素直に受け止めた。 タクミ君がどんな人か知らない。 ハヤトが何回も告白していたことも知らない。 ハヤトとアヤが付き合っていることも知らない。 ユリとハヤトは理系クラスを選択していたが、別々になった。 ただ ハヤト リョウ タクミ が同じクラスになった。 ハヤトは心中穏やかではなかった。 何回も自分をふったエミの彼氏タクミと同じクラスになるとは。 ユリは、好きになった男子が二人いるその教室には行きづらかった。 3年生になると、周りは大学受験に向け頑張っていた。 ユリの耳にも、ハヤトがアヤと付き合ってると噂が入ってきた。 アヤに恐る恐る聞いてみる。 「付き合ってるの?…」 「ハヤトのことは好きだよ。」 アヤは、付き合っているとは、言わなかった。 ユリは思った。 アヤは綺麗だ。でもハヤトには私の方が似合うはず。 なんで?アヤなの。 そんなモヤモヤしたまま、卒業してしまった。 ハヤトは、ユリに話すべきことを話せずまま卒業した。 ハヤトは浪人。 ユリは短大へ進学。 卒業から10年が経過した。
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