第1章 同級生

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自己紹介の時間がきた! 五十音順に並んだ生徒たち 男子から自己紹介が始まった。 谷口 マサキ ユリが一目惚れした男子だった。 マサ君…勝手に心の中で呟いた。 タニグチ マサキ タムラ ユリ 男女混合班を作るときは、なんと同じ班になった。 田村 ユリです。 出身中学校は…… ハヤトは笑顔でユリの自己紹介を聞いていた。 及川 ハヤト ユリはまだ、ハヤトの存在を意識していない。 明るい性格のユリは、すぐにクラスメイト達と話し始めた。 女子はだいたいグループを作りたがる。 五十音順で真ん中辺りのユリは、周りの動向を伺っていた。 席が近い 出身中学校が同じ 部活が同じ … 出身中学校が同じ者はいなかった。 部活は卓球部を選択した。部員が少なく同じクラスにいなかった。 休み時間、一人で席にいた女子に話しかけた。 井上 エミ 大人っぽさと可愛らしさを兼ね備えたとても魅力的な女子。 出身中学校が同じ女子もいたのだが、なぜか一人でいた。 ユリは、いつしかエミと行動を共にするようになる。 エミの印象は男子にとっても同様で、彼女はクラスのマドンナだった。 皆がエミに寄ってくるようになる。 そう、例外なくマサキも。 エミには、すでに 許嫁 (イイナズケ)がいた。要は彼氏だ。 「あたし達、結婚決めてるの。」 発言がだいぶ大人だった。経験も大人だった。 ユリは、当然そんな経験もなくビックリしていた。 エミは彼氏がいる余裕からか、男子の扱いは慣れたもんだ。 男女混合班では オイカワ ハヤト イノウエ エミ この二人が同じ班になる。 この出逢いが歯車の掛け違いの序章だった。 徐々にハヤトもエミの魅力の虜になっていくとは…この時誰も予想していなかった。
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