3人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
自己紹介の時間がきた!
五十音順に並んだ生徒たち
男子から自己紹介が始まった。
谷口 マサキ
ユリが一目惚れした男子だった。
マサ君…勝手に心の中で呟いた。
タニグチ マサキ
タムラ ユリ
男女混合班を作るときは、なんと同じ班になった。
田村 ユリです。
出身中学校は……
ハヤトは笑顔でユリの自己紹介を聞いていた。
及川 ハヤト
ユリはまだ、ハヤトの存在を意識していない。
明るい性格のユリは、すぐにクラスメイト達と話し始めた。
女子はだいたいグループを作りたがる。
五十音順で真ん中辺りのユリは、周りの動向を伺っていた。
席が近い
出身中学校が同じ
部活が同じ
…
出身中学校が同じ者はいなかった。
部活は卓球部を選択した。部員が少なく同じクラスにいなかった。
休み時間、一人で席にいた女子に話しかけた。
井上 エミ
大人っぽさと可愛らしさを兼ね備えたとても魅力的な女子。
出身中学校が同じ女子もいたのだが、なぜか一人でいた。
ユリは、いつしかエミと行動を共にするようになる。
エミの印象は男子にとっても同様で、彼女はクラスのマドンナだった。
皆がエミに寄ってくるようになる。
そう、例外なくマサキも。
エミには、すでに
許嫁 (イイナズケ)がいた。要は彼氏だ。
「あたし達、結婚決めてるの。」
発言がだいぶ大人だった。経験も大人だった。
ユリは、当然そんな経験もなくビックリしていた。
エミは彼氏がいる余裕からか、男子の扱いは慣れたもんだ。
男女混合班では
オイカワ ハヤト
イノウエ エミ
この二人が同じ班になる。
この出逢いが歯車の掛け違いの序章だった。
徐々にハヤトもエミの魅力の虜になっていくとは…この時誰も予想していなかった。
最初のコメントを投稿しよう!