第6章 約束

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半個室の席。4人まで座れる席を二人で使う。 他のお客さんは気にならなかった。 再会に乾杯した。 ハヤトが切り出した。 「久しぶりだね~同じクラスになってから25年だよ。四半世紀経っちゃったね。」 高校時代の思い出が甦る。 ユリは、あの時なぜ突然話せなくなったのか、理由を聞きたかった。 「あのさ、なんか急に話せなくなったよね。私たち…」 「そのことなんだけど、ずっとね、高校時代から言わなきゃ言わなきゃと思っていたんだ。」 「え?高校時代からずっと?」 「そう、あの時からずっと…だからいつか会いたいなと思ってて、田村に会うためにBBQに参加したんだ。オレ、大人数で集まるの好きじゃないし…いやぁ。良かったよ。」 ユリは、だったら実家に電話かけてくれてもいいのに…と思った。 「で、なになに?」 「あの時、ほぼ付き合ってたよね(笑)…」 「あたしは、その認識ないけど…」 「映画みたよね…タスマニア物語ね。それから小料理屋入って…あの店まだあるかな?」 「そうだっけ?忘れちゃった」 「花火みてさ…」 「うん。それは覚えてる!マサキんち行ったんだよね。けっこうイチャイチャしたよね(笑)」 「俺さ、あの時、田村のことも好きだったけど、エミのことがもっと好きだったんだ。」     
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