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「コレはいったい何なの?」
「……」
「訳がわからない。何が、どうして……」
灯子は様々な疑問点が脳内を駆け巡り、最終的には俯き絶句していた。そう言う灯子をなぜか痛ましそうに見ながら、埜途は口を開いた。
「あんたと俺は、前に会ってるんだ。
ここじゃない世界で」
灯子は顔を上げた。埜途を凝視する。
「俺はあんたを殺したんだ」
埜途は嘘偽りの一片も見当たらない、真剣な表情だった。
突拍子も無い告白で面を食らう灯子に、埜途はいっそ真摯な程直線的な眼差しで、宣言した。
「だから、今度は守る」
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