2.要らなくなったものを捨ててみる

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今日も晴天だ。 窓を開けると、気持ちの良い風が部屋へ入ってくる。 冬とはいえ、昼になると空気の入れ替えをしたくなる。ずっと暖房の暖かい空気の中で丸くなっているのもいいが、動けなくなってしまうからだ。こうでもしないと、本当に何もしないで1日が終わってしまう。 外の空気を吸って、伸びをすると、振り返って、山積みになった書類や本を視界に入れる。 ああ、めんどくせーな。でも片付けないと、伊佐緒に見られても困るしな。 よし、と気合を入れるために両頬を軽く叩き、書類に目を通していく。 本を手に取って、書類と見比べながら分けていく。 これはこっちで、こっちはこれで。 かなり集中して作業を進めていると、あっという間に外がオレンジ色に染まっていく。 手元にもオレンジが映って、はっとした。 夜には、この部屋の上に住んでいる奴がやってくる予定だ。 山積みにしていたものの横には、同じく山積みのファイルがある。急いでそれに書類をまとめる。本は本棚に戻して、ファイルも本棚の奥の棚に戻す。 何とか、終わったか。 ぱっと見た限りでは、この部屋の住人は本好きの、整理好きだとしか思えないだろう。黒い、天井に届くほど高い本棚が、部屋の半分を占めている。 ゴンゴン、と扉を叩く音が聞こえた。 急いでその部屋から出て、戸を閉める。 玄関の扉へ向かう前に、ふうと一息つく。 目を閉じて、思い浮かべたのは。 「いるんだろ。早く開けろ」 ぶっきらぼうな声が扉の向こうから聞こえて、はいはい、と返す。 扉を開けると、俺より少し背の高い男が立っていた。灰色のスウェットを着て、手には黒い袋を持っている。こちらを見る目は青色で、日本人とは少しかけ離れた顔立ちにはよく似合っていた。 「邪魔する」 「ん」 むすっとした顔は機嫌が悪いからではなく、元からだと言う。それに慣れるまでにだいぶ時間がかかったが、慣れるとただ不器用なだけの、優しい奴だと気付いた。 今だって、黒い袋を差し出して、土産、と言ってくれた。中には、DVDとお菓子が入っている。 そいつはテレビのある部屋へ向かって、テレビのちょうど向かいに置いてあるソファへどかっと座った。 「観るぞ」 勝手知ったる、俺のDVDプレイヤーにDVDをセットして、テレビをつける。 こいつとはこうして、たまに映画鑑賞をするのだ。
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