第4話 戴冠式の日に

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墓地へ着き、父に祈りを捧げた。そしてこれからの自分を見守っていてほしいと、力を貸してほしいと願った。 その後、クラークを見かけた樹木の側まで行った。木陰の隙間に見た黒いマント。あれは気のせいだったのか...。教会へ戻ろうと身を翻した時、黒い物体が瞳をかすった気がした。その先へ視線をやる。 ーークラーク!会えた!! 彼は樹木の枝の上に立っていた。 「こ、こんにちは」 驚きと喜びで言葉が詰まる。 「こんにちは。声かけられたってことは、やっぱり俺が見えるんだね」 目深に被る黒く大きな帽子のつばを少し上げた。 「言ったじゃない。今度、見かけたら声をかけるって」 嬉しい!本当に会えた! 「父上が埋葬された日も俺はここにいたよ。見届けるために。あなた以外の人が来たから、念のため、すぐに姿を消したけど」 「やっぱり、クラークだったのね」 確かにあの時、ロディ王子が心配して私の後をついて来た。幻ではなかったのだ。 「あなたが降りてきたってことは、今日もどなたか亡くなられるの?」 「・・・くわしくは言えない。でも、そうかもしれない」 顔が少し曇ったようにみえた。 「人が来たね。じゃあシャルワ」 「・・・え?クラーク!」 金色の髪と黒いマントをなびかせながら、徐々に青い空へ吸い込まれていった。     
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