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毎朝、教室で会って挨拶から始まる。
「おはよう。八重田くん!」
「おはよう。立花さん!」
私は八重田くんと会う為に学校に行ってるもんだった。
八重田くんは何時も昨日、学校から帰ってから こんな事してたんだ!っと私に聞かせてくれた。
私はうんうん。っと頷いて八重田くんの話しを聞いていた。
八重田くんと仲良くなって間もない頃。
八重田くんは私に正方形に折られた紙を渡してきた。
「コレあげる。」
「何これ?」
「中身は家で見て。」
「解った。」
私は中身が気になっていたが兎に角その場では開けずにスカートのポケットに入れた。
なんだろ?
そう思いながら授業を受けて1日を過ごした。
私はイラスト部に入部していた為、授業が終われば美術室に足を運んだ。
そこでやっぱり気になっていた八重田くんがくれた正方形の包み紙を開ける事にした。
すると、その紙からは1枚のMDが出てきた。
そのMDの上にはMDと同じ大きさの正方形の付箋紙に曲名が書かれていた。
私はプレイヤーを持っていたので早速聴く事にした。初めて聴く曲ばかりだった。
でも正直どの曲も嫌いでは無かった。
家に帰ってからもソノ曲を聞いていた。
私は正方形に折られた紙をちゃんと開いて中を見ると、MDに入ってる曲の歌詞が印刷されていて、そこに作詞者の事も書かれていた。
私の為にこんな事迄してくれるんだって思うと凄く嬉しく思った。
私にとってソノMDは宝物となった。
次の日、八重田くんは私を見るなり。
「聴いた?」
「うん!聴いたよ!」
「どの曲が良かった?」
その質問に対して私は正直曲名迄覚える事は出来なかったので。
「1番最初の曲!」
「フ~ン。僕は1番最後の曲かな?サビの所が凄く良いんだ。」
「そうなんだ!ゆっくり聴いてみる!」
そう言った私は帰ってから再び彼がくれたMDを聴くことにした。彼が印刷してくれた歌詞を見ながら、彼が好きと言った曲を…
馬鹿らしいかもしれないけど私も好きになった。
特にサビの所が。
そのサビは今でも忘れる事は出来なかった。
って言うよりも、忘れられない理由がそのサビに書かれていたからだ。
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